絵本の読み聞かせを通じた青少年の創造性育成 1.危機に立つ?科学技術立国
~絵本の読み聞かせを通じた青少年の創造性育成 1.危機に立つ?科学技術立国~
◇ 第64回少年少女発明クラブ全国会議での講演より。
◇ 首記は、当初の講演テーマでしたが講演に際しては、「コラボレーションが生む新しい仕組み」と演目が変更されたが、私は変更前のテーマが魅力的だ。
◇講師は株式会社リバネス、代表取締役 丸 幸弘 氏
【危機に立つ?科学技術立国】
★ 理科に対する興味関心の低下が社会的問題となっている。
● 日本の科学教育の政策は、米国より20年遅れている。
<米国の科学教育政策>
1983年:「危機に立つ国家」を表明
1989年:すべてのアメリカ人のための科学達成技術を策定
☆ 国家ビジョンの策定
☆ 科学リテラシーの策定
☆ 社会にどのように伝えるか
☆ 実践及びフィードバック
⇒20年遅れて、全ての日本人のための科学達成技術を策定
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危機的状況:経済協力開発機構(OECD)が2006年に発表した高校生を対象とした国際学力テストに於けるアンケートでは、理科学習への関心・意欲を示す指標などが57カ国で最下位であった。
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深刻な現状:① 親が理科離れ! ② 小学校の先生も理科離れ!(先生が指導法、知識を持っていない)
● 日本の科学雑誌の現状:
1982年:1,701万部でピーク
2000年:570万部まで激減(ピーク時の3分の1)、ファッション雑誌は増。
● 原因:① ゆとり教育における実験機会の減少 ② 最先端の科学技術の高度・複雑化
● 課題の解決策:
① 最先端科学を教育現場や一般社会に普及させるためのモデル作りの重要性
② 研究者と市民が互いに対話しながら、科学技術の普及に努めるアウトリーチ活動が注目されている。すでにアメリカでは、博士号を持つ人材が大学の先端研究を教材化することで、アウトリーチ活動を事業化している。
【株式会社リバネスの設立】
● 上記の背景のもと、2002年に当時理工系大学生・大学院生であった15名が集まり、株式会社リバネスを設立し、一貫して科学技術を分かりやすく伝える活動に取り組んできている。