~「私の南極と宇宙」・・・その70~
《百周年記念会館落成記念祝賀会・米沢工業会懇親会にて「南極の氷と石」についてスピーチされる》
昭和39年電気工学科卒業 芦田 成生氏寄稿
氏は、第11次・14次南極越冬隊みロケット打ち上げ実験隊に参加なされました。
「私の南極と宇宙」(その1~69まで掲載済み)。引き続いて掲載致します。
2月9日 今日は平均15mの吹雪。内地では相当な風であるが、南極では全く強いとは感じない。
公電を通して会社にレーダー復調を知らせる。午前中にNEL調整。午後よりOZO調整。雨漏りがひどく困ってしまう(屋根に積もった雪解け)。今日は福島隊員が発見された日なので、夕刻19時半より全員で慰霊塔にお参りをする。
筆者注:3次隊で宇宙線観測担当の福島隊員が、ブリザードが吹きすさぶ中、犬の餌の状況を見に出かけ、そのまま行方不明になった。南極再開の7次隊が、明日にも艦が基地を離れるという日に、西オングル島で発見した。発見したグループの中には、3次隊で起居を共にした隊員がた。
その隊員の話では「遺体は傷んでおらず、眠っているようだった。多分一緒に日本に連れて帰ってくれと言っているようだった」と。