~「私の南極と宇宙」・・・その126~
昭和39年電気工学科卒業 芦田 成生氏寄稿
氏は、第11次・14次南極越冬隊ロケット打ち上げ実験隊に参加なされました。
「私の南極と宇宙」(その1~125まで掲載済み)。引き続いて掲載致します。
7月29日 相変わらず寒く日中零下35度以下。みずほ前進基地より通信あり。現地零下50度。位置南緯70度42.6分 東経44度18.9分 推定年平均気温零下33.1度(15m雪温未検定)
筆者注:ミッドウインターの翌日(6月23日)、基地を出発した冬旅行隊は苦労した挙句、基地から300kmほど内陸の場所に前進基地を設置した。地理的緯度、経度は中途半端な位置であるが、地磁気での緯度、経度では確かな位置である。前進基地を「みずほ基地」と名づける。11次隊では、コルゲート(水道施設の際に使用される鉄製の半円のもの。水道管保護のために、2個合わせて円筒にする)を使った小屋を設置。長期気象観測器も設置した。12次隊以降から本格的な基地にするため、耐寒プレハブ小屋を設置。冬に数ヶ月間過ごし、観測や氷のボーリング。コアを採取した。今は夏の間に「みずほ」まで行くことがある。内陸旅行の中継点として使われることもある。現在の基地は、完全に雪の下にある。