~「私の南極と宇宙」・・・その169~
昭和39年電気工学科卒業 芦田 成生氏寄稿
氏は、第11次・14次南極越冬隊ロケット打ち上げ実験隊に参加なされました。
「私の南極と宇宙」(その1~168まで掲載済み)。引き続いて掲載致します。
1971(昭和46年)
1月 元旦 南極にて二度目の正月を迎える。「ふじ」がまだ遠くにいるため静かな落ち着いた正月元旦であったが、家族からの手紙が届かなかったのが少し寂しい。10時より夜勤者を除き全員(20名)揃って祝杯を挙げ、調理特製の御節料理に舌鼓を打つ。昼近くまで飲み食いし、適当に散らばる。休日日課のため何もすることなし。結局麻雀などして時間を潰す。夕食後は特別映画「まぼろし鷹」など見て、皆で腹を抱えて笑う。正月らしい気分は味わえなかった。新年の抱負などを思い浮かべようとしたが、結局何事も出てこず、日頃と変わらない一日であった。夜、電離棟にスタンプ押しに行き、夜中まで話こんだ。