~紫陽花やドライにへんげ風涼し(2)~
紫陽花や
ドライにへんげ
風涼し
小雨降る朝の散歩で紫陽花を観る。みずみずしさがなくなり、ドライフラワーのように見える。華やかさはないが心を落ち着かせてくれる。涼しい風が吹き抜けてゆき季節の移ろいを感じる。
<紫陽花の傍に蜘蛛が仁王立ち?で獲物を呼んでいる>
ドライフラワーのようになった紫陽花に獲物を引き寄せる魅力があるのか?引っかかるのは私だけか?余計な心配をしてしまう。
撮影:2013.8.3
≪あじさいは、涼しい花≫
あじさいは、こんなに厚ぼったい花なのに、ちっとも暑くるしくなく、涼しい花なのは好もしい。いったい涼しげというのは、すっきりとは或る鋭さを含んでいるとおもう涼しげというのにはそうゆう強さがある。
≪あじさいは、雨と映りがよい≫
あじさいが美しい季節である。この花は雨と映りがよくて、むかしはゆかたの模様によくその取り合わせがあったものだ。
回転どあ 幸田 文著 講談社文芸文庫より
≪7月17日は、あじさい忌≫
俳優・石原裕次郎の1987年の忌日。「あじさい忌」の名称は、石原が生前アジサイの花が好きだったことにちなむ。
<正岡子規が詠んだ紫陽花の句>
紫陽花や
赤に化けたる
雨上り
【紫陽花を詠んだ俳句・名句】
紫陽花を詠んだ俳句には、名句が少ないと言うが、日本経済新聞の6月15日(金)の春秋に正岡子規の俳句が2句引用され、解説されている。
【日経『春秋』に引用された、子規の2句】
<時の移ろいを詠んだ句>
物事の変化はゆっくり進むのが常だが、青とも紫とも呼べない途中の過程にこそ、目を凝らしたい。言葉でかたれない色調を読み取るのが、人の上に立つ者の責務であろう。
紫陽花や
はなだにかはる
きのふけふ
正岡子規
<人の心の移り変わりを詠んだ句>
紫陽花や
きのうの誠
けふの嘘
正岡子規
【私の選んだ紫陽花を詠んだ句】
紫陽花の
末一色(すえひといろ)と
なりにけり
小林一茶
紫陽花や
白よりいでし
浅みどり
渡辺水巴