~「私の南極と宇宙」・・・その411~
昭和39年電気工学科卒業 芦田 成生氏寄稿
氏は、第11次・14次南極越冬隊ロケット打ち上げ実験隊に参加なされました。
「私の南極と宇宙」(その1~410まで掲載済み)。
引き続いて宇宙開発の関わりを掲載致します。
<嘉手納基地>
<Nロケット3号機技術試験衛星Ⅱ型(ETS-Ⅱ)「きく2号」打ち上げ&種子島生活(6)>
衛星が周回してきて状態確認後、点火コマンドが打たれた。衛星のスピードは、ドップラデータで確認できるので、アポジモーターが点火、燃焼して軌道が変わるとドップラデータに急激な変化が確認された。ドリフト軌道投入成功であった。東経130度に静止化された。この衛星の目的は、静止軌道への投入、静止軌道制御技術の習得、メカニカル・デスパンアンテナ、伝搬実験用発信器でSバンド、12GH、35GHの伝搬試験であった。Sバンドトランスポンダーを初めて搭載し、後の距離・距離変化率を用いた軌道決定の基礎を構築した。通信衛星の先駆けでマイクロ波、ミリ波での電波伝搬に役立った。アジア各国から研究に利用された。このプロジェクトは「朝日賞」をもらった。NASDAの中では一番寿命が長かった衛星で、平成2年12月10日まで運用された。確かこの当時増田追跡管制所長だったので、停波コマンドを増田で打ったような記憶がある。