『改革の配当』テコに飛躍を! 竹中 平蔵氏(慶応義塾大学教授)
2007.1.15(月) 曇り
『改革の配当』テコに飛躍を! 竹中 平蔵氏(慶応義塾大学教授)
2007.1.5(金) 日本経済新聞 経済教室 07年の針路(2)
竹中 平蔵氏(慶応義塾大学教授)より
~『改革の配当』で新たな成長の可能性を迎えている~
◇日本は、規制緩和などの構造改革で最も恩恵を受ける国である。
◇「改革の配当」で新たな成長の可能性を迎えている。
◇一方で改革阻止の圧力は根強い。
◇以下の三点が、今後の針路を決める重要な岐路になる。
◆戦略的なアジェンダ(課題)設定
◆官僚行政の詳細管理
◆長期的な政策の整合性確保
【改革の恩恵を最も受ける国】
◇日本経済は一時期の危機的状況から脱し、新たな成長の可能性を伺う段階を迎えている。
◇この好機を逃さずさらに改革を継続発展させることができるか、今年はその重要な岐路になる。
◇米国国際研究所によるグローバル化の国際研究では、規制緩和などの改革で恩恵を最も受ける国とされている。
◇日本の改革余地は依然大きく、改革によって国民に大きな恩恵が生じる。
【改革チェックに3つのポイント】
◇第一の戦略的なアジェンダ(課題)設定については、オープンとイノベーションという基本的な考え方で、具体的にどんな政策を俎上に挙げるか、戦略的に設定する必要がある。
◇第二の官僚行政の管理は官邸主導が望まれる。よく聞かれる改革続行への懸念の大半は、官僚が復権し詳細な部分が骨抜きになっていることに起因する。政策に関して「戦略は細部に宿る」ことを常に意識すべきだ。
◇第三の長期的な政策の整合性確保については、例えば多重債務者問題に対する貸金業金利の上限規制は破産制度の見直しなどで対処すべきであった。
【改革のポイント】
■改革は、堅実で小さな知恵の積み重ねである。■
◇逆に、小さなほころびの積み重ねが「失われた十年」を生み出したことを思い出す必要がある。
◇ほころびは早い時点でくい止めなければならない。