2007.9.18(火) 曇り
~若者の理工離れにどう対応して行くのか?~
【人間の命に係わる「医学」と「工学」】
◇人工物は技術の産物だ。医療の中心に医師がいるように、技術の中心には技術者がいる。
◆人間の健康と命を守る医療には三百万人が従事し、中心に二十七万人の医師と九万人の歯科医師がいる。
◆一方、毎日の暮らしの中で、我々は人工物の信頼性や安全性に命を託している。飛行機、電車に乗っても、橋を渡っても、建物で生活し仕事をしても、アミューズメントパークで遊んでも、加工食品を食べても、それを作った誰かに命を託している。
■先日の「知識基盤社会における大学イノベーション(イノベーション・ジャパン2007-大学見本市)の基調講演」で、講師の名古屋大学総長 平野 眞一氏が「医学」と「工学」は人の命に関わっているという共通点があり、医学と工学の連携が必要と講演された。
【技術者の評価】
◇従来、工学は産業力を高め、豊かさをもたらすやりがいのある仕事と思われてきた。
◇しかし、技術者の社会での相対的評価が低く、若者は「労のみ多くして益が少なく、割が合わない」と職業と考えている。
【若者に対する技術者の魅力を高める方法は】
1.若者に明確なロールモデル(こうなりたいという理想像)を示す。
2.努力に値する人生が開けることを明示する。
3.技術者を専門職の地位に高める。医師、弁護士、会計士等は法律で業務独占権が与えられた専門職の地位を確立している。技術者の魅力を増す究極の道である。
【実現方法は?】
1.大学が強い問題意識を持つ。
2.社会や産業界と一体となって取り組む。
3.JABEEによる技術者教育の質の向上
【JABEEとは】
◇国際的に通用するエンジニアを育成する為の大学教育を、プログラム(学科やコースを単位とする教育課程)ごとに評価し、基準に適合すれば認定する民間団体。1999年に発足。
日本技術者教育認定機構(JABEE)会長 大橋秀雄氏の寄稿記事(日本経済新2007.9.17(月))より引用