~TH会関西支部講演「微生物がつくるプラスチック」~
講 師 :山形大学大学院理工学研究科昨日高分子工学専攻
准教授 木村 宏(修C44):写真右、左は山川関西支部長
「講演要旨」
1.はじめに
◇ 我国で排出されるプラスチックの量は約1千万トンで、これらの廃プラスチックの多くは、自然環境下では殆んど分解されないため、様々な社会問題を引き起こしている。
◇ 特に漁場や海洋の生態系に大きな害を与えている。
2.廃プラスチックの処理方法
◇ 焼却:単純焼却の場合は、CO2 ガスの温暖化やダイオキシン、有害ガスの発生等の問題。
◇ 埋め立て:腐らない、土地の確保、地盤の軟弱化および有害物質の溶出等が問題。
◇ リサイクル:化学処理による資源化(ケミカルリサイクル)、再加工して再び材料として利用(マテリアルリサイクル)のリサイクルがあるが、プラスチックの収集法、選別、汚れ除去などの高コストが問題。
3.時代の要請
◇ 従来の処理方法を進めながら後処理を考えた製品や素材の開発。
◇ 物質循環といった視点からリサイクルできる新しいプラスチックの開発が望まれている。
4.生分解性プラスチック
◇ 微生物により完全に消費され、自然副産物(炭酸ガス、メタン、水&バイオマス)のみを生じるプラスチック。
◇ 分類
① 微生物がつくる高分子
②植物動物由来天然高分子
③バイオケミカル高分子
④合成高分子
5.微生物がつくるポリエステル
◇ 微生物がつくる各種共重合ポリエステル
◇ 遺伝子組み換え技術による種々のポリエステルの生成
◇ 微生物がつくるポリアミド酸や多糖類等
5.バイオプラスチックの生分解性