~小説の書き出し・・・その1:キッチン~
文章を書く際に、まず最初に悩むのは、書出しの言葉ではないだろうか。
読み手の心をつかむためにも書き出しは重要だと思う。
そこで、私がいままで読んだ本の中で、印象に残った本の書き出しを紹介。
「≪キッチン≫ 吉本ばなな著 新潮文庫」
”私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う。どこのでも、どんものでも、それが台所であれば食事を作る場所であれば私はつらくない。できれば機能的でよく使い込んであるといいと思う。乾いた清潔なふきんが何枚もあって白いタイルがピカピカ輝く。ものすごく汚い台所だって、たまらなく好きだ。床に野菜くずが散らかっていて、スリッパの裏が真っ黒になるくらい汚いそこは、異様に広いといい。・・・・・・”