~「私の南極と宇宙」・・・その59~
昭和39年電気工学科卒業 芦田 成生氏寄稿
氏は、第11次・14次南極越冬隊みロケット打ち上げ実験隊に参加なされました。
「私の南極と宇宙」(その1~58まで掲載済み)。引き続いて掲載致します。
《アンテナ組み立て》
1月22日 本日レーダーの火入れ式を行なう。10時半より隊長、機関長、運用長以下ロケット隊員を迎えて行なわれた。しかし、メインスイッチをONしても電圧が出ず。検討した結果、RT・Cont・SWをONにしなければ火が入らないことが判明。とんだハプニングであった。RTOにはメインスイッチがあっても意味が無いと言うことである。その後引き続いて色々調べて、パルスにするとチューニング・メインが振れず、回路図をひっくり返し調べた。6時間ほどかかったが、18時頃レンジ・ユニットのTB1とTB2001の接続コネクターの接続間違いと判る。ラック間で番号の付け方が色々で困る。TBにも正式番号を付けるべき。ACコンセントにも普通のもの以外は区別して付けるべし。ACコンセントの配線が間違っているらしく、コンセントにAC100Vが来ていない。大型工具、調整アダプターが見つからない。入れ忘れたかも。
筆者注:私は入社してからロケット系を仕事にしてきたので、地上設備系は良く知らない。だが、内之浦の打上げに参加している間に、射場にある追尾レーダーの調整を見ていたので、少しは知識があった。今回の設備のトレーニングは、出発するぎりぎりに三日ほど講習を受けただけで、設計思想だとか、回路の詳しい説明は受けずに南極に来た。そう言った理由で、上述のような文句が出てくるのです。
《レーダー調整》