~「私の南極と宇宙」・・・その102~
昭和39年電気工学科卒業 芦田 成生氏寄稿
氏は、第11次・14次南極越冬隊ロケット打ち上げ実験隊に参加なされました。
「私の南極と宇宙」(その1~101まで掲載済み)。引き続いて掲載致します。
「サブタイトル」内陸旅行6.
5月17日 8時半起床。連日の晴天のため冷え込み厳しく、日が出てもー30度を上回らない。ともかく寒い。観測はゲージ測量。アイスレーダー、人工地震。9時ー32度。人工地震は午前中からKD605に入れて、暖めていたがある程度しか温まらず16時にて作業開始。リモートスイッチにて発破を爆発させる実験を行なう。1回目深度10m。ほとんど判らず。電気雷管の導通なしで、爆発を確認。しかし、記録は取れず失敗。2回目深度1mにて爆破。3mほど雪煙と煙が舞い上がる。記録は失敗。リモートにて爆破は成功とし、これは終わる。17時KD608のアイスレーダーに向かう。最初のオッシログラフの同期が外れとイグニッション(発電機)のパルス混入でよく判らなかった。アテネーターを抜いて、0dbにするとはっきりと氷のエコーが出た。第1回はフォールデッドポール出力、コニカル受信で行なう。第2回目は、八木アンテナ受信で行なう。八木アンテナ受信の方が、12~3dbほど良い結果が出た。マッチングが悪く、パワーがアンテナに全部乗っていない気がする。ともかくアイスレーダーはブラウン管の故障を除いて、OKであった。機械は十分暖める必要がある。