~小説の書き出し・・・その16:獅子王 第1章1~
文章を書く際に、まず最初に悩むのは、書出しの言葉ではないだろうか。
読み手の心をつかむためにも書き出しは重要だと思う。
そこで、私がいままで読んだ文の中で、印象に残った文章の書き出しを紹介。
《獅子王 第1章1》
獅子王をひさしぶりに見たのは、テレビの画面の中だった。
この国が未曾有の危災に襲われ、混乱しているさなか、獅子王は家をなくしたひとびとの避難所にあらわれたのだ。
一人出なかった。・・・・・・
重松 清著 原口 健一郎・画「獅子王 第1章1」
毎日新聞 2011.5.1(日)日曜くらぶ より