~上野不忍池、蓮の花・・・5~
<不忍池の水の出入り>
現在の不忍池では、ボート池⇒蓮池⇒動物園池⇒下水道幹線というこうぞうにんzっている。不忍池に注いでいた旧藍染川は大正時代末期ころに暗渠化され、現在では不忍通りの地下にあって、真島町幹線と呼ばれる下水道幹線として利用されている。この下水道幹線と不忍池は今も動物園池とつながっていて、不忍池は遊水地としての構造を保っている。下水の水量が多く水位が池より高いと池に水が流れ込み、下水の水位が引くと池から下水に水が流れていくようになっている。1980年代までは、短時間の集中豪雨などによって下水があふれるようなときには、この下水道幹線から動物園池に水がしばしば流入していた。・・・
★不忍池の水の出入りは、ボート池では営業のため水位を確保する必要から地下水をくみ上げてきた。ほかに、蓮池弁天堂前には、地下にある京成上野駅のトンネルから出る地下水を定期的に流している。現在ではこれらに加え、JR上野駅の新幹線地下駅から出る」地下水をボート池に引いている。
うえの No.713 2018.9
「不忍池の足元」 東京学芸大学名誉教授 小川 潔 著より一部転載
<喧噪の 街中に咲く 蓮の花>
羅に遮る蓮のにほひ哉 蕪村
蓮の香や水をはなるる茎二寸
白蓮にゆふ雲蔭るあらし哉 白雄
蓮の香や深くも籠る葉の茂 太祇
先いけて返事書也蓮のもと 太祇
蓮の花虱を捨るばかり也 一茶
昼中の堂静かなり蓮の花 子規
夜の闇にひろがる蓮の匂ひ哉 子規
徘徊す蓮あるをもて朝な夕な 漱石
そり橋の下より見ゆる蓮哉 漱石