~人望不可欠の条件、「九徳」とは何か?~
💛 「人徳」があれば「人望」を得る!
「近思録」では、誰でも学んで聖人に至ることができると書いてある。目標は聖人だと言うことになる。何をやってもごく自然に人間の本性どおりになるのなら、それは最高に「徳」のある❝超能力者❞、「人徳・人望」のかたまりになれるだろう
「近思録」には、「九徳最も好まし」とある。具体的には、これに到達することを目指せばよいであろう。
九徳については「尚書」(五経のうちの「書経」の別名)の「皐陶謨編」にもあり、行為に表れる九つの徳目を、舜帝の臣・皐陶が舜帝の面前で語ったものとされている。
💛 九徳とは
❖ 寛にして栗(寛大だが、しまりがある)
❖ 柔にして立(柔和だが、事が処理できる)
❖ 愿にして恭(真面目だが、丁寧で、つっけんどんでない)
❖ 乱にして敬(事を治める能力があるが、慎み深い)
❖ 擾にして毅(大人しいが、内が強い)
❖ 直にして温(正直・率直だが温和)
❖ 簡にして廉(大まかだが、しっかりしている)
❖ 剛にして塞(剛健だが、内も充実)
❖ 彊にして義(強勇だが、義しい)
💛 「徳」とは?
「あらゆる集団を『治めること』に、『普通の能力とは異質で、同時にそれを超える特別な能力・超能力」』をもってすれば・・・・」という意味になる.
以上、[山本七平 人望の研究・二人以上の部下を持つ人のために」より
💛 朱子学での「徳」とは?
朱子学では、人間は生まれながらにして
「仁:やさしさ」:愛のある人、みんな(自分と他者)を大切にできる人
「義:ただしさ」:必ず理(すじ)を通す人
「礼:ほどよさ」:恭(きちんと)した人、行いに節度のある人
「智:ちえ」:分別のある人、善悪を正しく判断できる人
「信:しんじつ」:「仁・義・礼・智の4つが真実なものであり、でたらめなものでない」ということをあらわす。
といった徳を本性としてもっているとします。
以上、「近思録」~朱子学の入門書~より