~「中庸こそ人望の不可欠の要件」~
💛 中庸は、孔子が初めて使った言葉で、「足して二で割る」「真ん中をとる」といった無原則な妥協的意味でなく、「偏頗(片寄って不公平なこと)なき動かざる中心を持つ」の意味である。
💛 「中庸を得た人とは、単なる常識人でなく、もっと高次の常識人だ」と言えるであろう。そして、孔子が言う「中庸ハ徳ノ至レルモノ」なら、高次の常識人とは、人徳があり、人望がある者の意味になる。ということは、「中庸こそ人望の不可欠の要件」だということである。
≪「中庸」とは何であろうか≫
人間にあって当然の「七情」(※)を野放図に激発させず、抑制して自ら制御しつつ「中庸に合わせる」。そうでなく「七情欠如」となれば、まったく、人間味のない人間になってしまい、それでまた、人望なき人になってしまう。
※ 七情:「喜」「怒」「哀」「懼」「愛」「悪」「欲」
💛 「中庸」の定義のようなもの
「喜怒哀楽の未だ発せざる、これを中と謂う。発してみな節に中る、これを和と謂う」
赤塚 忠氏の註解「(さて人の行いは、物ごとにふれて、感情の動きとなることに始まるが、その感情が)喜・怒・哀・楽」などとなって外に表れる前に、(心の平正さがあるべきである)、それを中という。この中が現れると(その行いは)、すべて物ごとの節度に合致することになる、これを和という」と。
山本七平著 人望の研究「二人上の部下を持つ人のために」より💛 子曰わく、
中庸の徳為(た)るや、
其れ至れるかな。
民鮮(すくな)きこと久し。
孔子が言った。
中庸(常に、公平で、過不足や、上下左右のかたよりのない、)
最高の徳性が、人々の心の中から、
無くなってから久しくなった。
論語抄 史跡足利学校より
💛 人間は五つの自然な感情を授かりました。
❖ 恐怖
❖ 罪悪感
❖ 怒り
❖ 嫉妬心
❖ 愛
この自然な感情を大事に尊重して、
不自然な感情に変わってしまわないようにしなければなりません。
エリザベス・キューブラー=ロス(1926~2004)
精神科医 スイス
時代を変えた科学者の名言より