~イノベーション実現のための人材育成を考える・1~
日本経済新聞 2018.10.10
ニッポンの革新力・人材強国への道より
<人材強国へのヒントを考える>
イノベーションでリードした米国に追いつくため、中国やインドも人材開発競争に乗り出した。20年後、30年後を見据えた人材強国へのヒントを考える。
<ノーベル賞受賞者の受賞テーマの事業化まで>
≪本庶佑京都大学特別教授のノーベル生理学・医学賞≫
受賞が決まり、日本のイノベーションに光が当たった。
がん治療に「革命」をもたらした本庶氏の場合、革新には10年単位の月日がかかることを示している。
≪2002年の島津製作所の田中耕一氏のノーベル化学賞≫
受賞テーマのタンパク質の質量分析が事業に結びつくまでには、16年の月日が経っている。今年の8月、アルツハイマー病の原因とされる成分を血液から検出する受託事業を開始。田中氏の技術は化学での新素材開発や農業での汚染物質検査など幅広い応用が期待される。
田中氏は話す。「イノベーションの本来の意味は『異分野融合』大学より企業の方が環境が整っている」
≪2014年の日亜化学工業の中村修二氏のノーベル物理学賞≫
1993年に青色発光ダイオードの製品化に成功。
≪2002年の小柴昌俊氏のノーベル物理学賞≫
浜松ホトニクスは、宇宙の起源を探るに不可欠な「カミオカンデ」向けのセンサーを引き受け、これを皮切りに数百億円の国家プロジェクトを受注。
【2014.10.3】
~革新力の原点:トヨタの場合~
一人の天才の瞬発力よりも、多数の現場の執念がトヨタの革新力の原点だ。
【トヨタの研究開発の強み】
◆ 10年単位で研究開発を行う時間軸の長さにある。
exp1:ガソリンと電気を併用するハイブリッド車・HVは商品化に30年、水素を動力源とする燃料電池車・FCVは20年
exp2:次世代の夢の電池とされる「全固体電池」は90年代から研究開始し、車の駆動に成功、将来は充電不要の電気自動車が可能
【豊田佐吉の理念】
「常に時流に先んずべし」
日本経済新聞 2014.10.3 一面 革新力 社会を動かす① より
【スティーブ・ジョブズ の名言】
最も大事なことは、自分の心に、自分の直感に
ついていく、勇気を持つことだ