チャーチルから学んだ戦略の本質『フロネシス型リーダー』
~チャーチルから学んだ戦略の本質『フロネシス型リーダー』~
日本経済新聞 2019.9.27
私の履歴書 一橋大学名誉教授・野中 郁次郎 ㉖ より
💛 戦略の本質は「フロネシス」という概念だ。
哲学者のアリストテレスが唱えた概念で、
賢慮、実践的知恵、あるいは実践的理性と訳される。
知識創造のプロセスは、
ビジョン、対話、実践、場、知識資産、環境といった要素からなる。
そのプロセスを実践できるものはフロネシスを備えたリーダーシップだとの結論に至る。
フロネシスを備えるリーダーはこれらの要素を関連付け、知の総合力を発揮させるダイナミックなプロセスをやり抜く。
≪フロネス型の特徴はなにか≫
💛 卓越した「善い」目的を作る能力、
💛 他者とコンテクト(文脈)を共有し、場を触発する能力。
💛 ありのままの現実を凝視する能力
💛 賢慮を伝承・育成する能力
チャーチルはこうした能力を持っていた。
日本人の経営者では、ホンダの創業者・本田宗一郎氏、松下電器産業(現パナソニック)の創業者・松下幸之助氏らは、まさにフロネシス型リーダーといえるだろう。