~教えなければ禽獣に近し~
子どもを人望ある人に育てるには、どうすればよいか
山本七平 人望の研究・二人以上の部下を持つ人のために
<教えなければ禽獣に近し>
💛子どもを人望ある人に育てるには、どうすればよいか
徳川時代のカリキュラムは、小学・近思録・四書・五経の順で、『小学』までは寺小屋で教えていたらしい。
表記の言葉は『小学』(※)にある孟子の言葉で「飽食暖衣、逸居して教なければ則ち禽獣に近し」である。諸橋轍次氏の訳を記すと「食べたいだけ食べ、着たいだけ着て、ぶらぶら暮らし、ただそれだけで教育が無ければ、その人間は禽獣に等しいものである」
※:『小学』はいわば、いまの小学生ぐらいの子どもの教育のために、朱子の指示のもとに門人の劉子澄が編纂したものだといわれる。
<教育に必要な最低限の目標とは何か>
孟子の言う「教」とは何か。今の言葉に直せば、大体「徳育」の意味である。
したがって、今の日本のような高い生活水準で「徳育」がないと「禽獣」になると言うわけである。